不況,ですね。

2002年2月27日
企業の業績予想の修正発表が連日。
しかしこの仕事をしていると,
その中で明確に勝ち組も存在していることを,
思い出させられます。

一昨日の「インフレ・ターゲット論」について,脱サラ受験生さんが著名人の言葉も引用して論を展開して下さいました。
彼と同級生だったのはもう15年前ですが,
その頃からその追求心には敬服させられます。
深く一つの世界を探求するに留まらず,
広げることが出来ていることは,驚きでしょう。

しかし,中央銀行論は私の卒論テーマ。
その視点からあらためて私なりの意見を付け加えましょう。
一昨日の日記で私が必要と考えていた財政政策からの金融政策の独立性は特にドイツにおいて重要視されていたもので,
ドイツ連邦銀行への信頼からマルクの強さが維持されてきました。
それは万人が認めるところであり,それ故に現在の欧州中央銀行においても「独立性」は非常に重要視されています。
ドイツ連銀の独立性が重要とされたのは,
政府の行き過ぎた金融緩和政策により極度のインフレが生じた戦間期の反省によるものでした。
過剰に発行してしまった国債を金融緩和により吸収しようとしたのが,第二次大戦前のドイツです。

翻って,現在の日本。
対戦前のドイツと同様とするのは異論もあるでしょうが,
既に国債が過剰供給状態なのは万人の認めるところ。
既に日銀による国債の買入などが真剣に論議されてしまっています。
このままでは数年後,ハイパーインフレの到来が強く懸念されます。
(これは長銀時代の直属の上司である岩崎さんの持論でもありました)

まぁ,反論も色々あるでしょうが。
少なくとも敗者を救済する為の金融緩和だけは,
日本市場の不透明化=外国資本の日本嫌気を意味することであり,
激しく反対します。

今朝のニュースでも,
「銀行が弱体化するとウィンブルドン化が進行する」
というアナウンサーのコメントがありましたが,
ウィンブルドン化を嫌う人たちの論拠も曖昧です。
外貨の流入を意味するウィンブルドン化に反対するのは日本の弱体化を是認することであり,
ウィンブルドン化とリストラ両面に反対するのは,
貸し渋りと不良債権問題の両者に反対するのと同様,
論理矛盾と言えるでしょう。

数年後,
日本が働くに値しない土地になった時,
世界のどこででも働くことが出来る能力を手にしていること,
それが自分の責任かもしれませんね。

それにしても,
いつになったらまともな報道がなされることやら。
視聴者の知的レベルを低位に留めているままでは,
事態は何も改善しません。

最近のインフレ・ターゲット論と日本人の悪平等思考,
両者は同じ所にその問題の根があります。
あくまで私見ですが。あしからず。

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