Dear...

中学時代に勉強を頑張っていたのは，
あの高校に行きたかったからではなく，
模擬試験の上位者に名を連ねることによって，
離れた街に住むあなたに自分の存在を忘れないでいてもらいたかった，
ただそれだけ。

結果としてあの学校へ通うことになり，
地区でも強豪と呼ばれるサッカー部，
Jリーガーになった同期もいるサッカー部で，
素人として入部して1年後には周囲に認めさせられた，
それができたのは純粋にサッカーが好きになれたから。
でも，
本当に厳しかった最初の数ヶ月間，
露骨に追い出そうとしていた先輩にも負けずに続けられたのは，
あなたに情けない報せをしたくない，
そんな自分の見栄。

銀行員時代，
どんなに悔しい思いをしても腐らずに，
買収ファンドにいた三年間，
どんなに厳しい問題に直面しても前向きに，
自分がすべきことを見失わずにいれたのは，
その瞬間が与えられている自分の運命への，
感謝と責任感。

家庭では学力の向上が至上命題といて設定された為，
人間性を高めていくことは決して要求されることがなく，
学校では当然の結果として学力面が目立つこととなり，
同時に頭の鈍い教師をも見下すような生徒になり，
教師に人間性を評価してもらうことは決してなく，
高校では親友の人間性に惚れ込むと同時に嫉妬していた，
卑小な，弱い自分。

そんな私が求めていたものは，
自分の人間性を認めてもらえる誰か，でした。
あなたは私にとって，
「人間性への賛辞」と「理解する姿勢」を示してくれた，
たぶん初めての存在で，
だからこそあなたには弱さをさらけ出すことができた，
今だからこそ，
認めることができる，
そんな情けなさ。

私の生活や姿勢はこの9年間で色々と変わったけど，
そのどの瞬間も微笑んで認めてくれている，
そう確信しています。勝手に。

周りの友人・先輩・恋人から私が受け取ってきたもの，
私にその大切さを最初に気付かせてくれたのは，
あなたでした。

心から，
感謝を込めて，

ありがとう