久し振りに興味を引く報道が。
今朝の報道では資金の出し手にNPIとCVCということですから,
経営陣による企業買収という説明には意味がなく,
また日経新聞に書かれたような「非上場化による緊張感の緩み」
などということもありえません。
それ以上に経営陣・従業員には緊張感が生まれる筈です。
(ファンド担当記者ではなく通常の市場担当記者が書いたのでしょう)

また「究極の買収防衛」という説明をする記事もありましたが,
そもそも実態としてはファンド(の管理するSPC)による買収ですし,
ファンドが将来必ず売却する時期がくることを考えれば,
考えにくい選択肢になります。

非上場化を選ぶことが正当化されるのは,
「短期的な利益追求ではなく中長期的な視野に立ち,
短期保有株主には否定されかねない必要な投資を実現する」
という目的の時でしょう。

まずはその趣旨に共感するファンド(マネージャー)を見つけ出し,
そして契約においても短期売却を禁ずる,
加えて定款変更により株式譲渡を被買収企業の取締役会承認事項にする,
(その定款変更の為にも株主となるファンドとの事前交渉が必要です)
といった準備がなければ,
「買収ファンド・被買収企業双方に納得感のある案件」
にはなりえません。
結局のところ,
真剣に考えずに甘えのある経営者は某化粧品会社のようになる,
ということでしょう。

それを前提として考えると,
今回の案件の投資家はNPIとCVC。
この2ファンド間の契約にはどのような裏側のある案件なのか。
ある程度予想は付きそうですが,
その予想が外れた時にはクリエイティブな前向きの解がありそうです。
数年後が楽しみかも。

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